若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

7750などの機械式クロノグラフを厚く語ってみる

汎用クロノグラフムーブメントの代表といえばバルジュー7750。機械式クロノグラフムーブメントが好きな人なら絶対知ってるってくらい普及されている名機ですね。縦目機械式クロノグラフがあったらだいたいこいつが搭載されています。チュードルのクロノタイム、オメガのスピマスデイト、ブライトリングのオールドナビタイマー等が有名でしょうか。しかし私はこのムーブメントが好きではありません。その理由とクロノグラフに対する願望を解説します。

理由は7.9mmという厚さ。ムーブメントが厚い分それが入るケースも厚くなり、だいたい15mm前後になります。自分の腕時計の許容の厚さは最大で13mmなのですが、それを大幅にオーバーすることが多いのが7750搭載機です。

ティソのブリッジポートクロノグラフというモデルは厚さ13mmの7750搭載機なのですが、これはかなり珍しいです。IWCポルトギーゼクロノグラフは7750を改造したムーブメントを搭載しており、厚さは12.6mm。ポルトギーゼは12時間積算計を廃したのが理由かわかりませんが、かなり薄く作ることに成功しています。誇張なしで13mm以下の7750搭載機はこれら二つ以外に見たことはありません。技術的に13mmにできるっていう証明だし、他のメーカーも頑張ってそのサイズに抑えて欲しいけれど、出てくるのは14とか15mmばかり・・・。他に13mmのモデルを知っている人がいれば教えてください。

その次の理由は普及率の高さ。これを搭載した時計はかなり多く、特に手ごろなクロノグラフはほとんどそうですね。7750をポンのせしたもの以外にも7750を改造したムーブメントも数多くありますし、当然それらもぶ厚いです。

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例えば上のSinnの903もsw500(7750のセリタ版)を改造したもので、横目になっています。横目クロノグラフだからと言って非7750とは限らないので安心できません(笑)。そして厚さは14.5mm。この様に、機械式クロノグラフのオプションがほとんど7750なのでこちらに選ぶ余地があまりないのが不満です。

以上の二つが理由で7750が好きではありません。逆にいうと、それら以外は問題ありません。精度、耐久性、メンテナンス性に優れていますしね。

そんな中で自分がたどり着いたのは手巻きクロノグラフです。以前手巻き時計が薄くなると言及しましたが、クロノグラフにこそその利点が強く働きます。7750から自動巻機構を廃したバルジュー7760は0.9mm薄いので14mmだった時計は13.1mmになります。クロノシュポルトCS351-65は7765で、予想通り13mmを実現しています。しかしやはり手巻きクロノグラフの需要がないからか、現行品も中古も見当たらないのでほとんど諦めてます。なんだかんだでバルジューの機械としての信頼性が好きなので手巻きクロノグラフの本命は7760なのですが、残念です。

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そこで7760の代わりになるムーブメントが上のST19という手巻きクロノグラフムーブメント。手巻きクロノグラフの名機と言われるVenus 175の中華コピー。ここ数年はこの機械を搭載した腕時計を売るマイクロブランドが増えています。現時点ではこれらの所から買う予定はありませんが、いずれ満足のいくクオリティの物が出るまで待ちます。今はこのムーブメントが自分の願望を満たす希望の一つです。