ノモス チューリッヒ レビュー part2
ノモスチューリッヒレビューの続きです。
ムーブメント
搭載しているムーブメントはノモス自社ムーブメントのイプシロン。昔のノモスはetaを改良した物を搭載していましたが、現在は全ての時計に自社ムーブメントを採用しているようです。購入当時は自社ムーブメント搭載に惹かれました。今となっては自社ムーブには惹かれませんが、このムーブメントは好きでした。
自動巻のローターの動作がスムーズです。ローターが回ると、キリキリとした音を出し、巻き上げを音で感じ取れます。それまでに購入したオリエントスターやセイコー5のローターの動作がぎこちなかったので、このスムーズな動きには衝撃を受けました。自動巻の方式の違いによるものだと思われます。それに加え、自動巻の切り替え車の動作がよくわかります。こうやってローターが両方向に回転してもゼンマイを巻き上げてくれるんだな〜と視覚で伝わります。
ムーブメントへの装飾に気合が入っています。受けに彫刻されたグラスヒュッテストライプと香箱のサンバーストによってかなり派手に光を反射します。時計のフェイスは大人し目なので、裏表でかなりギャップがあります。時計に詳しくない人たちからしたら高価には見えませんが、実は高いんだぜという最高の自己満足を味わう事ができます。今まで見た一番好きなシースルーバックです。
手巻きの感覚は、今までで経験した自動巻時計の中で一番好みです。大抵の自動巻の時計は手巻きがメインじゃないせいか、巻き上げの感覚があまり良くない傾向があります。巻き上げた感じはとてもスムーズで、キリキリした音と感触をしっかりと味わえ、反発も程よく感じます。持っていた時計の中で唯一、手巻き時計と遜色ないくらいの上質な巻き心地でした。
私が所有していた個体は日差が+2〜4秒ほどで優秀な部類です。
難点としては、時間合わせが少しやりにくいところです。リューズ操作で時間を合わせるとき、針がフラついて合わせたい位置にしっかりと合わないことが多いです。針がインデックスにしっかり届いている分、この面は特に目立ちます。
耐磁性能がほぼゼロです。所有していた間に一度だけ症状が重い磁気帯びをしました。自宅に置いてある時は磁気から遠ざけていたので、心当たりのある原因は腕時計をつけている左手でスマホを操作していたことでしょうか。もし本当にこれで磁気帯をしたなら日常使いとしては心もとないです。
以上の事から、やはり外装ではなくムーブメントに注力するメーカーだと分かります。
サイズ
ケースサイズは39.8mmでやや大きめ。ベゼルが薄いので数値より大きく見えます。
ケースの厚さは9.6mm。自動巻時計としては薄い方です。
ラグ幅は20mmでスタンダードなラグ幅なのでストラップの交換に適しています。
ケースの全長(ラグの端から逆側の端まで)は50mm。ケース径を考慮するとかなり長めに作られています。そして問題なのが、この長さのせいで私の手首からはみ出てしまうところです。
購入当時はケース径が40mmという事を懸念していましたが、それは問題にはならない事がわかりました。当時は39mmが限界だと思い込んでいたので、当時は決断するまでにかなり迷いました。しかし実際に使ってみて、ケース径ではなくケース全長が装着に大きく影響すると気がつきました。
ここで一旦区切ります。続きはpart3にて。