ブライトリング オールドナビタイマー レビュー part2
ムーブメント
ご存じバルジュー7750を搭載しており、この時計を選んだ理由の一つです。厚さに関しては前回のスピマスデイトである程度克服しましたが、他のマイナス部分にかなり目が行ってしまいました。
時間調整時は針のブレがひどく、時間合わせは至難の技です。他にもいくつものバルジュー搭載機を操作してみましたが、これはバルジューに共通する仕様のようです。それに加え、しっかりと合わせたつもりでも後で分針がずれることも多々ありました。時間の合わせやすさを重要視している者にとっては致命的なマイナスであり、この時計を止まった状態から始動するのを躊躇してしまいます。一度パワーリザーブがなくなったらその後の時間合わせが煩わしいので、使い始めたら連日使って動かし続けるつもりでいないとかなりの不便を被ります。
所有していた個体はマイナス5秒程の日差でした。機械式時計ユーザーには分かると思いますが、基本的にマイナスよりプラス日差の方が好まれます。 多少精度が悪くてもいいので、プラスになる様にして欲しいですね。スピマスデイトもマイナスだったので、バルジューがそうなりやすい機械だと反射的に疑ってしまします。たまたま選んだ個体が両方そうであっただけなのを願っています。
手巻きの感覚はとても重たく、音が控えめなので巻き上げる手応えを感じにくいで苦手です。一番巻き心地が軽いはずのパワーリザーブがゼロの状態でも、この様な巻き心地なので、手巻きの楽しみはありません。止まった後の始動を躊躇に拍車をかけています。
クロノグラフプッシャーの押し心地は総じて硬く、簡素です。スタート、ストップ、リセット共に、ちょっと力を入れても押し込んでもプッシャーがビクともしません。ある一定の力を込めるとビクともしなかったプッシャーが唐突に「ガツンッ!」と押し込まれます。ロレックスのデイトナの様なバネの感触が好きなのですが、その様な物は一切感じません。やはり好きな押し心地ではありません。
サイズ
ケースサイズは41.5mmで大きめ。文字盤はそのケース系の大きさに釣り合うほどの情報量があるので、キッチリとその大きさの理由づけはされています。
ケースの厚さは15mmです。やはりバルジュー搭載機なので、これ程の厚さは覚悟でしていました。これでもバルジューとしては標準的な方なのが驚きです。かなり厚いので中々袖に収まりませんでしたし、とてもぶつけやすくもあったので日常使いには少し厳しかったです。
ラグ幅は22mmで、私の持っている時計の中では珍しく、ベルト交換の機会はありませんでした。大きめの時計ではよく見るサイズですが、今まで手を出していなかったので交換できるベルトを持っていませんでした。
ケースの全長(ラグの端から逆側の端まで)は48mmで手首にギリギリで収まります。
とてもボリューム感があって、手軽には着けられませんでした。私の細腕の上で異物が出っ張っている様で、明らかに許容サイズの上限を超えていました。後述の装着感である程度大きさと重さは誤魔化せますが、やはり大きいものは大きいですね。
ケース
圧倒的なボリューム感を醸し出しています。厚さとケース径の組み合わせで。手首の上で大きな鉄の塊が乗っているようです。
回転計算尺を回しやすくするために、グリップとしてベゼルの淵が凹凸になっています。ダイバーズウォッチのベゼルにも同様の加工がよく見られ、好きなビジュアルです。初めてナビタイマーを見た時、文字盤の情報量とこのベゼルの組み合わせのインパクトが物凄く、度肝を抜かれました。最近のナビタイマーはベゼルの淵がビーズ状なのですが、これは好きではありません。
防水性能は現代の腕時計としては最低限レベルの3気圧。パイロットウォッチなので防水性能は重視しない設計なのでしょうか。クロノグラフという事もあり、日常生活ではもっと防水性能があった方が安心できます。
両球面の無反射コーティングが施されているサファイア風防です。これ程のごちゃついた文字盤であれば、ほぼ必須の装備でしょう。これで非無反射風防だったら時間確認の度に、映り込む反射像、計算尺、サブダイアルと戦わなければいけないので相当ストレスになります。手持ちのIWCメカクォーツ以上に悲惨な事になっていたでしょう。
一旦ここで区切ります。続きはpart3にて。