若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

定期的更新お休みのお知らせ

ブログ開設から今日で丁度一年経ちました。

どうせブログをやるなら定期的に更新したいという自分でも謎のこだわりがあり、今まで一年間休まずに週一ペースでの投稿を続けてきました。

しかし公私ともに忙しくなってきたので、今まで維持してきたペースをお休みしたいと思います。

ブログ自体はまだまだ続けていくつもりで、これからは不定期投稿でやりたいと思います。まだレビュー記事が書けていない時計も沢山ありますしね。

という事なのでこれからも本ブログをよろしくお願いします。

Chronosport 3752 レビュー part3

ベルト

ケースが鏡面なのと文字盤に艶があるからか、私がよく好むnatoストラップはさほど似合いません。 ミリタリー系統のデザインなのでnatoストラップが似合うと踏んでいましたが、甘かったですね。合うベルトはデザインだけではなく、四阿上げの種類にも大きく依存すると実感しました。

やっぱり時計はnatoストラップじゃないと着け心地が悪いので、これに似合わないと着けるのは厳しくなります。

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どちらかというとカーフの革ベルトがよく似合います。元々革ベルトは好みではないので大した数を持っておらず、これに合わせる為にベルトを探す必要がありました。

 

ケース

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ケースは表面にメッキが施されたもの。アンティークなので、所々メッキが剥がれております。今は許容範囲ですが、これ以上剥がれるとみっともなく見えてしまう可能性があります。何年後かに、ケースの再メッキ加工をするかもしれません。

鏡面加工ですが、アンティークによくある劣化で程よく光の反射を抑えています。

ケース裏蓋付近に摩耗の激しい箇所があります。なぜこの様な摩耗があるのか不明ですし、想像もつきません。

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裏蓋はステンレスでできています。アンティーク腕時計で、ケースがズタズタなのに裏蓋だけやたら綺麗なのはこういった理由があるからですね。

風貌が部反射コーテイングのドーム型です。光の反射が外周に集まりやすくなってしまうので、分針が指している場所の視認が難しくなってしまいます。ただでさえ視認性がイマイチなのに、ここで更に悪化させています。やはり無反射コーティングの大切さが改めて分かります。

 

 

総評

 デザインだけはかなり好みなのですが、それ以外の要素が大きく評価を落とした一本です。これは購入前に実物確認をしていれば気づけていましたし、納得できる買い物ができたはずです。アンティークは実物を見るのが必須なのだと実感しました。従って、今後アンティークのネットショッピングはしない様にします。

アンティークロノグラフを手に入れる目標は終わったので、今後はアンティークに手を出さないでしょう。この時計をもって自分はアンティークがさほど好きでもないと気がつきました。やはり現行に比べて工作精度などで劣るので、また現行品探しに集中するでしょう。

Chronosport 3752 レビュー part2

ムーブメント

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機械はバルジュー7733という物で、購入に至った大きな要因です。ブリッジがハートの様な形をしているのが特徴で、アンティークを漁っている方なら何度かこの外観を目にしたのではないでしょうか。やはり手巻きクロノは見た目で楽しめるのも魅力です。

今となっては生産されていない機械である分、今のうちにいい状態の物を確保する意図もあります。バルジューといえば、現在では汎用クロノグラフムーブメントとして有名な7750があります。7733はバルジュー社がETAに吸収される前に生産していた手巻きクロノグラフムーブメントです。

こちらの機械に魅力を感じていたのは、手巻きであるが故の薄さです。自動巻き機構がない分、スペースの節約になり、ケースの厚みが抑えられます。そしてアンティーク内で探していたのは、現代の時計に手巻きクロノグラフがないからです。なくはないのですが、主に雲上ブランドになるので、予算上絶対選択肢には入りません。

巻き上げは、手巻きムーブメントで味わえるキリキリとした子気味のいい物。小さな要素ですが、愛好家が手巻きを選ぶ理由でもあるでしょう。しかし、巻き上げ時にプッシャーが指の動きを邪魔し、かなりの巻きづらさを感じます。この時の不便さを経験して、当時の人間達がどれほど自動巻クロノを待ち望んでいたのか身をもって感じたかもしれません。

精度は日差10秒以下に収まっています。現代の機械式時計としても十分に通用する性能です。アンティークの機械だと考慮すると、素晴らしい精度でしょう。何十年経ってもこれ程の高性能な機械なのでますます現代での再生産が望まれます。

残念ながらハック機能はなく、細かい時間調整はできません。これではせっかくの高精度も存分に生かしきれませんが、古いムーブメントは非ハックの物が多いので仕方ありません。時分針の先端が平らなのもあり、分針が指している場所も正確に分かりません。クロノ秒針を永久秒針代わりに使うこともできますが、アンティークという事もありますし、機械への負担が大きすぎるのでやらないべきでしょう。

プッシャーの押し心地は今までで一番苦手です。バネの反発がかなり強く、押し込むのにかなりの力を要します。他ブランドの同じ機械を搭載した時計の押し心地とは違ったので、個体によってかなり違いがあるのかもしれません。少し指が痛くなる事もあるので作動時の喜びはあまり感じません。

駆動音は今まで所有したものでダントツに大きいです。どれくらいかというと、懐中時計と同等の音の大きさです。静かな部屋にいると必ず聞こえるので、集中力の要する作業や睡眠の邪魔になるのが非常に煩わしいです。うるさくならないようにできるだけ駆動させないか、タンスの中に仕舞っています。これが原因で、いざ着けたい時に動いていないか、タンスから取り出すのが手間なので着用率の低下に繋がっています。この大きな音の要因は技術者ではない私には不明です。見当をつけるとしたら、クロノグラフを動かすための強いトルクによるものかもしれません。

テンワが非常に大きいのが分かります。手持ちの時計より2割ほど大きい感じがします。テンワが大きいと精度が安定するという話を聞いたことがありますが、小さいコマより大きなコマの方が安定するみたいなのと同じ原理でしょうか。この特徴は同じバルジューである7750でも確認できますが、7733から受け継いだ特徴かもしれません。

 

ここで一旦区切ります。続きはpart3にて。

Chronosport 3752 レビュー

アンティークロノグラフを長い間探していましたが、偶然海外の通販で見つけました。とても怪しかったのですが、デザイン的に好みに刺さりました。いくら調べても全く素性が分からず、その分逃したら二度と見つからないと思い、購入に至りました。

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フェイス

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シンプルなクロノグラフですが、複雑な外周が目を引きます。 分インデックスのレールにはテレメーターとタキメーターが一緒になっています。いわゆる計器っぽい見た目に寄与しており、私好みのデザインです。しかし、この一つのレールに三つの情報が詰め込まれている分、とても見にくくなります。もう一つ別のレールにテレメーターとタキメーター表示があればベストでした。

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時分針はバトン型の針です。先端が尖っていない分、針が指している位置が分かりにくくなるので視認性の悪さに繋がっています。見た目だけならクラシカルで中々好みなのですが、機能性に劣ります。太さもそこそこあるので、サブダイアルを隠してしまう欠点もあります。

クロノ針が赤く、全体のデザインにおいての差し色の役割をしています。しかし、塗装の精度が高くないので、おもちゃっぽく見えてしまいます。こうなるくらいなら赤ではなく塗装なしのシルバーの針がいいかもしれません。

もう発光はしませんが、少量の夜光塗料があります。推定製造時期を考えると、これはトリチウムでしょう。この夜光は10年程経つと光らなくなり、さらに時間経つと劣化し、変色します。手持ちのレコードマスターの様に、劣化が激しくて汚くなりやすいのが欠点です。この時計は。この時計は夜光が少なく、発売当時は暗所の視認性が悪かったのでしょう。しかし、その分現在では目につく程の劣化が無く、綺麗に見えます。夜光塗料の少なさは結果的にいい方向に働きました。

積算計の配置はバランスが良く、整った顔のクロノグラフに仕上がっています。私が思う綺麗なクロノグラフの絶対条件です。

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実物をよく見るとダイアルの色は一見黒ですが、実は限りなく黒に近い茶色で、いわゆるトロピカルダイアルと言われる物です。純粋な黒を求めている者としては、不満点です。室内の明るさだと黒ですが、屋外だと曇りの日でも茶色になります。最初は面白い特徴だと思っていましたが、汚れて劣化した様な色合いが段々嫌になってしまいました。艶があるのも、テカテカしていて視認性を落とす要因にもなっています。もしダイアルがマット仕上げの純粋な黒であったら文句はないのですが、これは実物を見なければ分からない仕様でした。全く知らない時計をネットショップする時の難点をモロに被りました。あらためて試着の重要性を実感します。

デザインだけで見たら計器っぽさや道具感が直球で好みなのですが、細かいディテールで大きく評価を落としている時計です。アンティークだからある程度仕方ないのですが。

 

サイズ

ケースサイズは37mm。普通のサイズなので着けやすいです。

ケースの厚さは13mm。この時計を選んだ大きな要因の一つです。さすが手巻きクロノなだけあって自動巻きには中々実現できない数値です。

ラグ幅は18mmでスタンダードなラグ幅なのでストラップの交換に適しています。

ケースの全長(ラグの端から逆側の端まで)は44mmで手首にしっかりと収まります。

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厚みに対して直径が小さいせいで、思ったより厚みを感じてしまいます。全体的にコンパクトに収まっていますが、ややアンバランスなサイズ感です。

 

今回はここまで、Part2へ続きます。

 

Page & Cooper natoストラップ レビュー

一番のオススメは海外のPage & Cooperというショップの独自のnatoストラップです。これを主にSinn 556やGOセネタエクセレンスに装着しています。

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比較的厚めで硬めにできていて、丈夫そうに見えます。尚且つしなやかさもある程度確保されているので、手首によくなじみます。この要素からくるデメリットは、ラグ幅18mmの時計に無理やりねじ込めない事です。他の柔らかめのストラップなら可能ですが、これは本当にラグ幅20mmでしか使えないという事ですね。

Page and Cooper NATO Strap Raven | Page & Cooper

バックルに通す穴は一年以上使っているので繊維が解けています。natoを使い始めてからまだ月日が浅いので、これは耐久性が良いのか悪いのかはまだわかりません。

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尾錠はバネ棒を使ったものではなく、ただの輪っかなのでバックルの交換はできないようになっています。これによって、尾錠をつけている時計のブランドの物に合わせられません。

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nato風ストラップによく見られる裁縫による接着ではなく、熱圧着なので縫い目がありません。これにより、硬い縫い目が肌をチクチクする事がなく、とても快適に着用できます。以前はnatoは縫い目がチクチクして苦手でしたが、この製品はそれを完全に克服しています。実は純正のnatoストラップは裁縫ではなく熱圧着なのでこの部分は純正に近いと言えます。

今までで経験したものの中で抜群に良いつけ心地です。これからもまだまだいいnatoストラップを探しているので、皆さんもオススメがあったらコメントしてもらえると嬉しいです。

秒針のありなし

腕時計の針は秒まできっちりと合わせたいタイプなので、以前までは秒針は必須だと考えていました。そして分針も現在時刻の秒数に応じた位置に合っていて欲しいのもありました。この理由から秒針やハック無しの時計を敬遠してきました。

しかし、いざ秒針無しのレコードマスターを使ってみてほとんど問題ありませんでした。思い返すと、学生時代は秒表示のない携帯の時計で時間を確認していましたが、我慢できる程の不便さでした。この事から、秒針にそれほど拘らなくなり、必須ではなくなりました。分針とインデックスの位置関係を把握すれば、ある程度の秒数も分かる様になるので、むしろ携帯電話の時計より便利です。このように考えが変わり、今まで秒針関連で諦めていた腕時計にまた目が向くようになりました。例でいうと、ハック機能が備わっていないゼニスのクロノマスターやオメガのスピマスプロ等です。両者とも元々魅力的で大好きなデザインなので、これは嬉しい変化です。

無秒針アレルギーは無くなったとはいえ、リスクは残ります。世の中のあらゆる物は分単位の事細かいスケジュールで動いているので、分の切り替わりのタイミングを把握する為にやはり秒針は大事です。その不便さは今でも。自分が平気になっただけで、決してデメリットが無くなった訳ではありません。大事な場面を控えている日には着用を避け他方がいいでしょう。

自分はもともと腕時計嫌い

高級腕時計は一生縁のない物だと思っていました。腕時計を絶対着けない主張をよく見ますがその気持ちも少しは分かるんですよね。でももし知識が浅いまま決めつけてるならもったいないです。

私が学生だった頃は腕時計をする恩恵がありませんでした。授業開始と終了のベルがあったので自分で時間を管理する必要がなかったからです。そして授業中以外の時間管理は携帯で十分でした。

それに加えて、腕が縛られている様な感覚が好きになれませんでした。当時持っていた腕時計と言うとリストバンド型ケースにはめたiPod nanoとかおもちゃ時計くらいで、装着感が最悪なのを覚えています。肌が弱かったので湿疹が起きやすいのも嫌でした。これが腕時計として普通だと勘違いし、余計に敬遠する理由にもなっています。このように年齢相応に安くてチープな腕時計しか持っておらず、所有欲が全く満たされないというのもありました。

親戚は高級時計を持っていましたが、ガガミラノ、フランクミュラー、金無垢ロレックスの様な派手すぎる物ばかりだったので高級時計へのイメージが悪かったのです。当時の私は腕時計観が偏っていて、知識がありませんでした。

しかし、親しい友達が成人祝いにもらった腕時計を見て考えが変わりました。その時計がシチズンのクロスシーで、真面目な物作りの腕時計に感銘し、腕時計も悪くないんじゃないかと思いました。その日から「自分もああいう腕時計が欲しい」と思い、ネット中を飛び回りました。様々な時計の種類、ブランド、機構などを知って一気に世界が広がりました。その発見から自分が欲しそうな腕時計の条件を少しづつ見極め、時間をかけてようやくたどり着いたのがオリエントスターセミケルトンでした。カッチカチの革ベルトに悩まされましたが、ベルトを交換するなどして使いやすくしていき、結果的には買って大正解でした。これが私の腕時計病歴のスタートです。

誰かが「俺A嫌いなんだよね」と発言したらもう一人が「それは本当に良いAを知らないだけ」と言うようなくだりがありますが、この件はそれに当てはまります。どれだけ最初は嫌いだったものでも、もう少しその世界が知れたら楽しめるかもしれない事がわかった経験です。

ちなみに私をこの沼に陥れたきっかけのクロスシーの友人はあまり腕時計には興味がないようです笑。