若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

オメガ スピードマスターデイト 3513.50 レビュー

自分が所有する2本目のスピードマスター。スピードマスターリデュースド3539.50のレビューでは、スピマスへの欲求が満たされたと言いましたがその欲求が再発しました。クロノグラフ好きとしてはやはりどうしてもスピードマスターの存在は意識してしまうんですよね。

 

フェイス

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スピードマスターの名を冠する時計としては数少ない縦目クロノグラフです。視認の面では、縦目であるメリットやデメリットはありませんが、横目の物よりシュッとして見えるのでこっちの方が好きです。

文字盤は艶ありのブラックで、時インデックスが一段階沈んでいる作りです。この文字盤が今回の時計の一番の曲者かもしれません。艶ありという事は光を反射します。視認性においてのコントラストは、色とテクスチャーの二種類があると思っています。今回はテクスチャーでのコントラストが出せていません。文字盤と針が両方とも反射すると、二つとも溶け込んで視認が難しくなります。針と文字盤の組み合わせは片方鏡面だったら、もう片方はマットであるべきだと気付きました。

インデックスはアプライドのバーインデックスで、外側の先端に夜光塗料の点があります。こちらも鏡面仕上げなので先述の針の通り、文字盤とコントラストが少なく、溶け込んでしまっています。

ハンドは自分の好きなペンシル型です。こういった細い形状の方がクロノグラフに向いているので、クロノを探すときは重要視している要素の一つです。といっても針自体の反射が強いのであんまり形は視認できません。この形状はスピマスによくあるもので、スピマスが好きな大きな理由の一つでもあります。

サブダイアルの針は二等辺三角形で、少しそっけない感じです。コストカットのためなのでしょうか、とても簡素な形状です。こちらも鏡面仕上げで、サイズが小さい分更に見づらいです。

夜光塗料は総じて少なめで、視認性の面では最低限です。時分針の中心を夜光塗料が走っています。各時インデックスの先端に点があるだけなので、これも見やすくはありません。不思議なのはクロノ秒針に夜光塗料がある事ですね。この部分だけあっても役に立たないのでサブダイアルの方にも夜光が欲しいですね。どうせここに塗布するくらいなら永久秒針の方にして欲しかったです。発光は平凡以下といったところでしょう。しかし10年以上前の時計なので今の夜光塗料の状態で絶対的な評価をするのはフェアではないかもしれません。

クロノとしては綺麗にまとまった顔です。サブダイアルのサイズと配置共に、違和感がしません。こういう綺麗なクロノを作るのにこなれてる感じはオメガらしさが伝わります。

 

ムーブメント

ムーブメントに関しては、皆さんご存知のバルジュー7750です。完成度の高い汎用クロノグラフムーブメントとして広く普及している物です。過去記事も読んでくださっている方は私がこのムーブメントに苦手意識があるのを知っているでしょう。しかし実際に使ってみないとわからないので、この時計のレンタルをしました。

精度は日差−5秒で、今まで経験したことのないマイナス日差。これが不便だというのは経験前からわかっていたことで、やはり不満でした。プラス日差なら時間調整の際はリューズを引いて数秒待ってリューズを戻すだけで済みます。しかしマイナス日差の場合はリューズを回して合わせたい時間に針を合わせる作業も加わるので、かかる手間が多くなります。

時間を合わせやすい時計ならまだ時間調整の負担が少ないのですが、この時計はそうではありません。時間調整に少し難があります。合わせたいインデックスを30秒分追い越して時間を合わせる必要があります。針の位置をしっかり合わせたと思ってリューズを戻しても、後々やっぱりズレている事に気付いて嫌々時間調整をし直す事もよくありました。それに加え、操作中は針がふらつきやすいので繊細なリューズ操作が必要です。

手巻きの感覚はとても重たく、音が控えめなので巻き上げる手応えを感じにくいで苦手です。一番巻き心地が軽いはずのパワーリザーブがゼロの状態でも、この様な巻き心地です。その為、時計が止まった後の初動は少し振って自動巻を作動させるので、手巻きの楽しみはありません。この重い巻き心地の理由は、一つ目星が付いています。バルジュー7750はとてもゼンマイの反発力が大きく、トルクの強いムーブメントだと知られています。故に、ゼンマイの強い反発で手巻きの重さに繋がっていると考えています。

クロノグラフプッシャーの押し心地は総じて硬く、簡素です。スタート、ストップ、リセット共に、ちょっと力を入れても押し込んでもプッシャーがビクともしません。ある一定の力を込めるとビクともしなかったプッシャーが唐突に「ガツンッ!」と押し込まれます。正直好きな押し心地ではありません。

ムーブメントに関してこれらの感想は自分が持っている個体の話なので全てのバルジュー7750に当てはまるかは不明です。これから他にもバルジュー7750搭載機を使っていく予定です。

 

今回はここまで、Part2へ続きます。

気になる時計 Maen Skymaster38 part2

サイズ

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ケース径は38mmなので私の手首にはジャストサイズ。

全長は46mmで手首の幅にしっかりと収まります。

機械式クロノにおいて肝心な厚みは12.9mmなので合格です。

ラグ幅はスタンダードな20mm。

全体的なバランスの良いサイズなので、日常で大活躍するでしょう。特に評価したいのは13mmアンダーの厚さで、本当にこのサイズ自動巻クロノの中では貴重です。廉価価格帯のクロノは14mmばかりで手が出せない状態でした。

しかし、気になるのがジャストサイズであるはずのケース径。回転ベゼルがある時計なので、その分このケース径だと文字盤がかなりせばまってしまうのではないでしょうか?この場合、ケース径が39〜40mmの方がちょうど良いと思われます。アンダー40mmのダイバーズウォッチが中々無いのはそういった理由からだと推測します。

 

ケース

両方向に回転するベゼルに1から11までの数字が表示されており、12の位置に三角が配置されています。これはよくあるダイバーズの60分スケールではなく、12時間スケールのベゼルです。ウェブサイトではこれを第二時間帯のベゼルとしての使用を推奨していますが24時間表示式ではないので、自分はそういった用途では使わないでしょう。1時間単位での時間計測に使えますが、使い所も特に思いつかないのでお飾りの機能になりそうです。でもかっこいいので問題ありません。

風防はドームのプラスチック製。こういったこんもりと盛り上がるプラ風防はいかにもアンティークな感じがいますが、この点は特にこだわっていません。追加料金でサファイアに変えてもらう事も出来ます。サファイアガラスへの変更によってケース厚の変化の有無が気になるところです。例えばスピードマスタープロのサファイア風防とプラスチック風防がありますが、サファイア風防の方は0.数ミリ薄いようです。この事例がSkymasterにも当てはまるなら、薄さ目当てでサファイア風防を選ぶ事も出来ます。雀の涙ほどの差ですが費用も6千円で済みますし、やはり薄くなるオプションは検討の価値があります。

 

ベルト

約6千円の課金でメタルブレスに変更できますが、それに関しての詳細はありません。微調整の有無、クラスプの方式、写真なども載せられていません。特に情報がない中で買うのは気が引けるので、気になった所は問い合わせをするしかなさそうです。それに加えて最近は非メタルブレス派なので変更する理由はありません。しかし、6千円で純正のメタルブレスが買えるのは悪くないコスパだとは思います(実物のクオリティによりますが・・・)。

自分が多用するNATOストラップとも相性が良さそうで、道具感をアップできそうです。

 

総評

ホイヤーオータヴィアの忠実なオマージュウォッチです。オリジナルの良さを継承しており、アンティークファンのツボにハマるのではないでしょうか。仮にオータヴィアのオマージュだと知らなくても、時計好きが見たらかっこいいと思えるでしょう。ここまでかっこいいと思える現行の時計は久しぶりで、有名ブランドでも中々お目にかかれません。

スイス製、トップグレードのクロノグラフムーブメント、シースルーバックの装飾、高さが揃ったプッシャーとリューズなど、これだけの要素を備えて85000円位です。新興ブランドと侮ることなかれ、これほどの完成度でコストパフォーマンスが高い時計は中々ありません。有名ブランドでこの内容であれば優に40万円を超えるのではないでしょうか。この値段で本当に頑張っていると思います。

 

最後に気になるけど買わない理由です。

買わない理由は正直言ってありません。仮に買おうと思っても今は先行予約のみで販売はされていません。

強いて理由があるとすれば、最近お金を使いすぎな事ですね。買える資金はありますが、最近は腕時計に費やすのに抵抗を感じます。自分が言うのもなんですがただの嗜好品ですからね。本当は実物を確認しなくても買いたいくらいには欲しいと思っています。ただ最近すでに1本買ったばかりなので・・・。

 

気になる時計 Maen Skymaster38

新興ブランドのこういう所が見逃せないんですよね・・・!今回紹介するのはMaenという新興ブランドのSkymaster38。自分が思い描いた理想のクロノグラフとは違いますが、本当にドツボの一本です。完成度の高いアンティークのオマージュで厚みも13mmアンダーですし、もう盛大な拍手を贈りたい気持ちです。

Skymaster - MAEN Watches

 

フェイス

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ホイヤーのオータヴィアほぼそのまんまのフェイスです。ダイバーズなどのベゼルが広い時計は通常あまり好みではないのですが、ベゼルとダイアルの均整が取れていて違和感がなく、スマートに見えます。

本家と違う部分というと、針の夜光とサブダイヤルのサイズくらいでしょうか。針の夜光は本家より長く、針の先端まで伸びていて、サブダイアルはわずかに大きいほどです。これでもオリジナルと見紛うほどの再現度です、最近タグホイヤーから復刻で出たオータヴィアとは大違いです。あちらはなぜかケースサイズの大型化、ベゼルとサブダイアルのサイズの改変をしてしまい、オリジナルとは大きく違った印象の物になっています。自分はオリジナルの持つスタイリッシュさに惹かれたので、当然オリジナルに忠実なSkymasterの方が好みです。

文字盤のバリエーションは黒、パンダ、逆パンダ、サンダーグレーの4種類があります。この中で一番好みなのは逆パンダです。逆パンダ文字盤は黒の部分がマット仕上げを施されており、反射を防ぐので視認性が高められています。サブダイアルは同心円状の彫刻になっており、手間がかかっています。この色とテクスチャーの組み合わせは道具感を演出してくれて、非常に自分好みに仕上がっています。

 

ムーブメント

スピードマスターリデュースドに搭載されている事で有名なeta 2894-2。eta 2892A2にクロノモジュールを乗せたムーブメントです。通称二階建てクロノと言えばピンと来るでしょうか。このムーブメントはeta 7750の次に使用される汎用機です。

このムーブメントのいい所は7750より薄く設計されている所です。これにより受けられる恩恵は当然ケースの薄型化です(私が薄型クロノグラフを欲していたのは以前からブログを読んでいる方なら分かると思います笑)。

この機械を搭載した時計はスピードマスターリデュースドの様に、通常はリューズとプッシュボタンの高さが不揃いになっています。しかし、画像だけを見るとそれらが揃っている様に見えます。この事から察するに、ムーブメントへの直接的な改造などは無いものの、ただのムーブメントのポン乗せではない様です。

普通はクロノの機構がシースルーバックから見えるのですが、このムーブは違います。クロノグラフ部分がモジュールとしてムーブメントの文字盤側に付いています。従って、シースルーバックから見えるのはeta 2892A2のみです。残念ながらクロノ機構は見えませんが、ムーブメントも装飾が施されていますし、好感の持てる時計作りの姿勢です。しかし、シースルーバックには時計を厚くし、装着感が損なわれる可能性があるので気になる人にはデメリットかもしれません。

ムーブメントのランクはトップグレード。etaムーブメントには4つのグレードで分かれており、上から二番目のグレードです。グレードが上がるほど精度が上がりますが、自分の場合精度はさほど気にしないので一番下のスタンダードグレードでも構いません。そうする事で価格が下がるならなおさらです。それはそうと、日差は0〜+8秒に調整されています。カタログスペックなので実際の精度とは異なる場合がありますが、マイナス日差を避けているのは評価点です。

 

今回はここまで。続きのpart2をお楽しみに。

好きな価格帯

腕時計ってピンキリであるので、同じ時計好き同士だとしても好きな価格帯が違うことは普通にあるんじゃないかなと思います。安いのでダイソーの300円からパテックフィリップの1億円までありますからね。

そんな自分は好きな価格帯の幅はだいたい1万円〜100万円でしょうか。例えで言うとセイコー5もポルトギーゼも好きです。それ以下の腕時計の例はチープカシオ、それ以上だとショパールなどです。

これはなぜかと言うとこの価格幅が実用品と嗜好品としてのバランスが取れていると感じているからです。例えば安い時計は便利ですが嗜好性の面では物足りません。アクセサリーとしては魅力に欠けます。かと言って、超高級価格帯は実用品としては心許ないです。耐久性に劣りますし、ケースに貴金属が使われてたりすると気軽につけられません。

雲上は時計好きの憧れという事をよく見ますが、好みの価格帯と大きく離れています。時計として素晴らしいのはわかっているものの、自分が身に付けたいかどうかは別問題です。仮に買ったとしても置物として眺めるだけになってしまいそうですし、そういった役割の時計は数万円のアンティーク懐中時計で事足ります。あとは金額の問題で、時計に何百万円も払うほど気に入った時計もありません(雲上に限った話ではありませんが)。

以下が価格帯毎の好きなブランドです。

1万〜5万

オリエントスター(エプソンに吸収される前)

 

5万〜10万

ユンハンス

 

10万〜20万

オリス

 

20万〜50万

ジン

 

50万〜100万

ゼニス、IWC、ブライトリング、ロレックス

この4つが好きな価格帯の中で一番高価なので憧れです。実用品として十分に機能し、装飾品としての完成度も高いです。好きな価格幅の天井なのでこれらが私の中での終着点なのでしょう。

シチズン クロノマスター レビュー part3

<ケース>

仕上げはポリッシュですが、嫌な感じの光り方ではありません。しかし、発売当初の状態がほぼ残っていないので、仕上げのレベルに関してコメントのしようがありません。シチズンはアンティーク製品のサポートをしていないので、新品の状態に戻すことはできないでしょう。

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ラグの形状があまり見かけないものになっています。丸みを帯びているのより、こういう直線的で角が立っている方が好みです。上品さより、スタイリッシュさが強調されるからでしょうか。

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裏蓋にはイーグルのメダリオンがあります。キングセイコーなどにも裏蓋にメダリオンがあるのですが、市場に出回っている個体の半数くらいはメダリオンが剥がれていたり、劣化していたりします。そんな中、手持ちのこの個体は綺麗な状態で残されています。これはこれでありがたいのですが、メダリオンの状態もいい個体は取引価格が高めになります。自分としてはメダリオンが剥がれていた方が安く買えるので、無い方がありがたいです。裏蓋は装着していたら見ることはないし、メダリオンの有無は時計の機能に影響しません。自分はこういうところが冷めているのかもしれませんね(笑)。

 

<風防>

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ガラスは斜めっぽいボックス型になっています。この形を見るといかにも古い時計という感じがして、雰囲気がでます。現行の時計にこういう風防が少ないのは気のせいでしょうか。

経年の劣化なのか元からなのかはわかりませんが、ガラスが少し黄色を帯びています。見てていい感じではない黄ばみなので、少し残念。同じ国産アンティークのキングセイコーと違って、予備パーツが流通してなさそうなので、替えの風防を見つけるのは難しそうです。

 

<総括> 

2本目のアンティークとして選んだこの時計ですが、買った理由がアンティークだからではありません。手持ちが黒文字盤ばっかりでラインナップが地味だったので、サンレイ仕上げの白文字盤を探していました。その条件で気に入ったのが現行の、このクロノマスターの復刻でした。デザインで気に入ったのはいいものの、30万円弱かかります。それだけお金が出せるなら他にも選択肢が沢山あるので、お手頃な数万円のオリジナルを選びました。

アンティーク時計でありながら現代でも見かけるデザインなので、あまりアンティークだという事を意識させません。もしアンティークではなく、発売当初の防水性を備えていれば着用頻度が高い時計になっていたかも知れません。手持ちの時計が無骨なものばかりなので、少しだけ飾り気が欲しい時に使おうと思っています。

シチズン クロノマスター レビュー part2

クロノマスターレビューの続きです。 

 

<サイズ>

ケースサイズは37mmで少し小さめ。アンティークはケース径が30~35mmが多く、比較的小さいモデルが多いです。しかし、これは現行品のようなサイズ感があり、アンティーク初心者でもつけやすいのが魅力的。

ケースの厚さは10.5mmで袖に収まりやすい厚さ。

ラグ幅は18mmでスタンダードなラグ幅なのでストラップの交換に適しています。

ケースの全長(ラグの端から逆側の端まで)は44mmで手首にしっかりと収まります。

全体的にバランスの良いサイズ感なので、私の手首に着けていて視覚と感触的に不快に感じることはありません。 

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リューズのサイズが小さいので、巻いていくうちに指の皮膚に負担がかかってしまいます。止まっている状態からの巻き始めは大丈夫なのですが、徐々にリューズの反発が強くなります。皮膚が弱い体質なのもあり、かなり痛くなり始めます。この理由で、パワーリザーブが満タンになるまで手巻きができません。この欠点は手巻き時計としては非常に致命的で、自分の手で汎用リューズに交換することすら検討しています。

 

<防水>

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アンティークなので防水機能はほぼ無いものとして扱いますが、元の防水機能はいかがなものだったのでしょう。裏蓋には手持ちのレコードマスターにもある「PARAWATER」の刻印があります。パラウォーターは当時のシチズンの防水規格だったようで、ちゃんと防水性能はあったみたいです。しかし、この規格が具体的に何気圧まで耐えられるかは調べても情報がなかったので不明です。 

 

 <べルト・ストラップ>

非純正のレザーストラップを装着しています。文字盤が白く、見た目的に普遍的なので幅広い色のストラップに合わせられるでしょう。

基本的にどの腕時計でもnatoを使うのですが流石にこれには似合いませんでした。natoは外装仕上げがポリッシュだったり、白いサンレイ仕上げ文字盤の時計に似合わないのがよくわかります。natoが使えないので結果的に装着感は落ちます。

もしメタルブレスレットをつけるとしたら、ロレックスのジュビリーブレスレットなどが似合いそうです。この時計の顔が持つ上品さをグッと引き上げてくれるはずです。

発売から年月が経っているので、純正の革ベルトを見つけるのは不可能でしょう。したがって、この時計の本来の装着感を評価できません。アンティーク時計の弱いところはベルトがなかったりメタルブレスがヨレヨレになっていたりするせいで、発売当時の装着感が分からなくなってしまう事でしょう。時計をレビューする身としては物足りなさを感じます。仮にあったとしても、革ベルトに関しては純正にこだわっていないので手に入れることもないです。

 

 

もうすこしだけ続きます。次回のpart3で。

シチズン クロノマスター レビュー

2本目のアンティーク時計もシチズンを買いました。1967年に販売されたクロノマスターです。やっぱりスイス製のアンティークって高いのでどうしても国産が安定になるんですよね。

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<文字盤・針>

デザインはあくまで一般人の日常に寄り添ってくれるシンプルさ。手持ちのSinn 556がタフでプロフェッショナルっぽい実用品としてのシンプルさとは違います。時計に詳しい人とそうでない人が見てもデザイン的にごく普通の時計です。腕時計のブランドを聞かれて普通に「シチズンです」と違和感なく答えられる感じです。

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文字盤はサンレイ仕上げのシルバー色です。今回新しい時計を探すにあたって重視していた要素です。サンレイのエフェクトの度合いはかなり控えめにされています。強い光に当てても派手に光らず、優しく反射をしてくれます。その輝きはシルクのようで、視覚的にも柔らかそうな印象を与えてくれます。

バーインデックスそれぞれの中心に黒線があります。文字盤がシルバーなのでインデックスとコントラストが取りにくいのですが、黒い線が入る事で視認性を上げています。この線の正体はオニキスという石ですが、インデックスに宝石以外の石を使うのは初耳です。もっとこういう時計が他にあってもいいと思うのですが、なぜ少ないのでしょう?それか自分が知らないだけで文字盤上に石が使われている時計はそこら中にあるのかもしれません。

ハンドは自分の好きなペンシル型です。この形状のいいところは若干のスポーティさを兼ね備えているところ。ドレス系の時計はよくドーフィン針が採用されていますが、こちらはそうではありません。ドーフィンだとどうしてもラグジュアリー感が優先される気がして、自分のスタイルと合わなくなってしまいます。残念な点が、ミニッツインデックスに届いていない事。自分としては問題ない度合いですが、届いた方が良いのは事実。インデックスと同様に黒線が中心を走っており、視認性を上げています。

文字盤の下部分には高精度の証であるイーグルマークがあります。強そうな動物のマークを文字盤に入れる事で威厳を演出しています。確かにこれがあるのとないのでは若干雰囲気に違いが出るかもしれません。こう行った類いのマークでは個人的にグランドセイコーの獅子の方が好きです。

 

<ムーブメント>

ムーブメント名はCal.0920で、毎秒5振動のクロノメーターに匹敵する手巻き自社ムーブメントです。その精度は今も健在で、日差数秒を叩き出します。現在のシチズンは機械式時計分野においてはセイコーに一歩出遅れてる感じがしますが、この頃は結構渡り合えてたのでしょうか?それくらい手持ちの中でも優秀な精度を誇ります。

時間合わせをする時は、全体的に重めでしっかりした印象です。針を回すには他の手持ちの時計より少し強めにリューズを回す必要があります。その分、針のふらつきも少なく合わせたい所にしっかりと針が合ってくれます。

しかし不安なのが、まだ自分の目で中のムーブメントを確認できていない事。自分で裏蓋を開けようと思ってもガッチガチに固くて開きませんでした。これ以上自分でやってしまうと裏蓋に傷をつけてしまいそうなので自分で開けるのは諦めました。いつか時計屋さんに持って行って裏蓋を外してもらうつもりです。その時ムーブメントの状態が劣悪だったりパチムーブメントが入っていたりしたら顔面蒼白ですね・・・笑

 

一旦ここで終わります。続きはpart2です。