若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

並行差別対策

商売の都合上、非正規品に対して割高な値段でオーバーホールをするメーカーがあります。有名どころではブライトリング、ジン、ノモスなどがあります。毎回メーカーにオーバーホールに出すと出費がかさんで困りますよね。自分は正規品より中古、並行派なのでどうしても避けられない問題です。

正規オーバーホールが無理なら他のオーバーホール業者に頼むことができますが、デメリットがあります。例えば外装研磨はオリジナルと意匠がかけ離れていたりします。

最悪の場合、ムーブメントの中のパーツを非純正品に交換させられてしまいます。こうなるとブランドからのサポートを受けられなくなります。中の部品が違うと、そのブランドの製品だと見なされなくなるからです。

そこで、純正度を保ったままオーバーホールの出費を最低限にする方法があります。まず、信頼できるオーバーホール業者を見つけます。主にその業者に頼み、定期検診の感覚でオーバーホールに出します。この時は外装研磨等はしません。そして3回に一回くらいのオーバーホールの頻度で正規オーバーホールに出します。この時に外装研磨や、必要なムーブメントのパーツ交換をします。純正度を保ちつつ時計を健康な状態に保てるでしょう。

例えば正規オーバーホール値段が6万、非正規が3万だと仮定します。4年に一度オーバーホールをすると12年で3回のオーバーホールをする事になります。このうち、正規が1回で非正規オーバーホールが2回です。合計の値段が、12万円です。3回全てが正規オーバーホールだとすると18万円になります。前者は後者より3分の2の値段に抑えられています。時計を所持している期間が長いと金額差はかなり膨れ上がるので、この方法は節約には効果的だと言えるでしょう。

ただし、この方法が一番機能するのは、時計がetaやセリタなどの汎用ムーブメントを搭載している場合です。この様な機械は普及率が高いおかげで、技術者の間で構造が広く知れ渡っているのでオーバーホールが容易です。手持ちで該当するのがeta搭載で特殊技術非実装のsinn 556です。逆にこの方法が通用しにくいのはムーブメントが複雑な構造の自社製や特殊技術を実装している場合です。ジンのモデルで言うと、ハイドロを実装したuxなどは非正規オーバーホールは不可能です。時計の中がシリコンオイルで充満しているので、正規メーカーの様な専門的な機材が無いと無理だと思われます。

制約のある方法ですが、非正規品を主に購入する方は考慮してもいいかもしれません。