気になる時計 Gallet 100th Anniversary RACING HERITAGE Chronograph
持っていないけど気になった時計を語るコーナーです。今回はGalletのRACING HERITAGE Chronograph。
Gallet Racing Heritage Chronograph
ギャレットというブランドはアンティーク好きなら多分知っているでしょう。クロノグラフの名門と言われたブランドです。アンティーククロノグラフを探している方なら誰しも目にするブランドだと思います。今回取り上げるモデルはそのブランドの現行品です。やはりといいますか、日本語での情報は全く出回っていませんね。
これはかつてギャレットが販売していた下のリンクにある「Multichron 12」というモデルを復刻したものです。
1960s Gallet MultiChron 12HR - HODINKEE Shop
<文字盤・針>
レーシングクロノグラフのデザインです。
時分針の形状はSinn 356にも見られる注射器の形状をした針で、好きな形状の一つです。この針を半分肉抜きにしており、サブダイアルを見やすくするための工夫です。視認性は少し落ちますが、理由を知ると納得の工夫です。針が肉抜きされていないオリジナルは時間の視認性を優先しているのに対し、こちらはクロノグラフの視認性を優先しています。クロノグラフを頻繁に使う場合は、現行品の方が都合がいいでしょう。
クロノグラフ秒針が赤くなっていていいアクセントになっています。ここがシルバーだったらお堅い印象が最大になっていましたがこの色が入る事で若干の遊び心を演出できています。
バランスよく配置されたタキメーターの数字が綺麗にまとまっています。ここがしっかりしていないと、数字が偏ってたりして崩れたような印象を受けるので、それに対しこのモデルはバランスが取れて美しいです。
インダイアルの配置と大きさのバランスよく、見てて違和感がしません。
分の積算計に最初の10分間だけ三分刻みで長く描かれているインデックスがあります。アンティーククロノグラフによく見ますが、どういう意味があるのでしょうか。
アンティーククロノグラフが好きな自分としてはこのデザインは堪りませんね。
<ムーブメント>
ムーブメントの名前はcalibre 550です。Vaucherというムーブメントメーカーから供給された物です。
ギャレットのホームページでこのムーブメントの特性が紹介されています。精度が重力の影響を受けにくくする軽量化されたテンプ、稼働中に精度のムラを無くすための二重香箱、摩耗を減らすためのベアリングで回転する自動巻ローター、15000ガウスの耐磁性等の特徴があります。
Premier Chronometerなる規格をギャレットが作り、それをパスしています。その規格は日差±2秒という驚異の精度で、クロノメーターを上回っています。
パワーリザーブは50時間。ダブルバレルだということを考慮すると少なめです。ダブルバレルだからといってパワーリザーブが長くなるとは限らないかもしれませんが、そこは私の知識不足です。
今回はここまで、続きは以下リンクのpart 2にて。