若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

IWC フリーガークロノグラフ メカクォーツ レビュー part2

 フリーガークロノグラフメカクォーツレビューの続きです。 

 <べルト・ストラップ>

natoストラップをつけています。この手の時計とは相性が抜群なので基本的にこれで着用しています。

購入時は付属の純正の革ベルトが付いていました。尾錠はレベルの高いサテン仕上げにブランドロゴの刻印があり、そんじょそこらの尾錠とはまるで違います。ベルトの着用感自体はイマイチだった為、すぐに交換しました。

このモデルには純正のメッシュブレスレットもあります。海外のフォーラム曰く、このベルトは正規販売店で注文すればわざわざ作ってくれるそうです。さすが永年修理対応のIWCですね。しかし買った時計本体より高額な値段がかかるそうなのでこれは諦めた方が良さそうです。

 

<ケース>

ケースの造形と仕上げもマーク12の流れを汲んだものです。ベゼルの一部分、竜頭、プッシャーはポリッシュで残りは全てサテン仕上げです。サテン仕上げが好きな自分にとっては嬉しいのです。ここまで似ていると、ほとんどマーク12のノリで着けられそうです。

自分の持っている個体は購入先の中古店によって再仕上げをされているので、仕上げのレベルに関しては何も言えません。こうなってしまうと純粋にIWCの研磨技術を評価することはできないので困っています。オリジナルの造形を崩す可能性もあるので中古店の再仕上げはあまり賛成できません。

竜頭の刻印に魚マークがあるのは6気圧防水だというサインです。IWCの古いモデルに見られるもので、マーク15などにも採用されていました。現在この竜頭は製造していないようで、正規オーバーホールに出すと別の竜頭に交換されるらしいです。これが理由でオーバーホールに出すのを躊躇ってしまいます。この魚は可愛らしくて結構気に入ってるので没収しないで欲しいのですが、どうにかならないのでしょうか。

 

<風防>

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風貌は視認性の面ではっきり言って最悪です。その理由は無反射コーティングなしのドーム型風防で、この組み合わせは本当に凶悪です。ドーム風防はキャッチする光の範囲が平面の風防より広く、多くの光を反射します。無反射コーティングなしだと、広範囲にキャッチした光をそのまま綺麗に反射するので周りの景色がはっきりと写ります。これが理由で、今まで所有した時計の中で一番風防が酷いものとなっています。ドーム風防だと作るコストが高い分値段に反映されるので、こんな風になるくらいなら安くして平面ガラスにして欲しいです。正規オーバーホールに出すときに、無反射コーティングされている風防に交換してもらえる淡い期待を抱いてしまいます。せっかく文字盤自体は視認性高めになっているのにこれでは台無しです。

 

<総括> 

マーク12の流れを汲んだ外見のパイロットクロノグラフです。やはり1990年代のIWCパイロットウォッチなだけあって、実用時計としてとても洗練されています。IWCの伝統的なデザインのパイロットウォッチが欲しいけど、予算が限られているという方にお勧めできます。マーク15以前のパイロットウォッチは軒並み高価格ですが、これだけは私でも手が届きました。

ムーブメントは純粋な機械式ではありませんが、それも気にならないほど魅力が詰まっています。あのジャガールクルトのムーブメントですし、そのネームバリューだけでも違います。むしろこのムーブメントだからこそ実現できる完成度の高さがあり、決して無下にはできません。この時計で初めてメカクォーツに触れて、クロノグラフはメカクォーツがベスト、と考えるまでになりました。

買った当初は「IWCまで買ってクォーツなのはどうなのか」と思っていましたが、買って大満足です。風防の問題も全体的な完成度を考えると許せます。

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。