若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

シチズン レコードマスター レビュー

初めてのアンティーク腕時計、シチズンのレコードマスターです。手巻きクロノグラフを探しているとやはり自然に行き着く先がアンティークです。1960年代に発売され、生産期間が短く割とレアなモデルだそうです。正統派のクロノグラフではありませんが、比較的お手頃でデザインが気に入り、購入しました。

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<文字盤・針>

一見三針時計に見えますが、秒針はクロノ針です。時間表示部分は秒針が無い物になっています。常にクロノグラフを作動させて永久秒針の代わりにできるかもしれませんが機械への負担を考えるとできません。むしろ、クロノが壊れたら変えのパーツがないのであまり作動させないのが無難です。永久秒針としてスモールセコンドを追加してくれたら理想的でした。文字盤は、4分割する様に縦線と横線が引かれています。バーインデックスとペンシル針を採用し、スマートな印象を与えます。

この全体的なデザイン、わかる人にはわかると思うのですが、ブライトリングのトランスオーシャンに似ています。ブライトリングの中で、シンプルなデザインで好きなシリーズです。しかし、サイズが大きくて諦めていたので、小さいサイズで似ているデザインのレコードマスターは魅力的な選択肢です。

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分針が長すぎて逆に時間がわかりにくくなっています。指している目盛りを覆い被さるように隠しているので、針と目盛りの位置関係がわからなくなっています。これでも短いよりはマシなのかもしれません。

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文字盤はかなり劣化しており、詳しくない人が見たらただの汚い時計に見えるかもしれません。文字盤のプリントが所々かすれていますが、実用面で問題のない劣化です。アンティークの醍醐味である劣化を楽しめるレベルです。自分が問題視しているのが、針とインデックス上の夜光塗料の劣化です。緑色が黒ずんで濁っていて、カビが生えている様に見えます。こういう風に汚く見えてしまうのはかなり厳しい所。これが結構目につくので、リダン業者に頼んで夜光塗料だけ落として貰えるかどうか知りたいです。仮にそれができたとしてもいざ売りに出すときに価値が下がりそうなので悩みます。

  

<ムーブメント>

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搭載しているムーブメントはcal. 5702というものでおそらく自社製。今では中々目にかかれないシチズンの機械式クロノグラフムーブメントです。おまけに、高級クロノグラフの特徴であるコラムホイール制御です。

特筆するべきはフライバック機能。実用性はありませんが「どうしてこの時計にフライバックが?」という感じの面白みがあります

クロノのスタートボタンの押し心地は指にバネの反発程よく伝わり、更に押し込む時はスムーズです。この感触は押し心地が一番好きなデイトナに似ています。しかし、連続で押すと徐々にスムーズさがなくなっていき、中でつっかえてプッシャーが埋まったままになってしまいます。クロノを連続で使用する機会はありませんが少し残念。リセットボタンはボタンを押し込む時の反発がなく、ヌルッという感じがします。

秒針とハック機能がなく、秒単位での時間調整はできません。買う前は秒針のない時計は如何なのかと思っていて、大きな懸念点でした。分針を目視することである程度秒数がわかるのですが凝視する必要があり、実用的ではありません。しかし売却したらほぼ同額回収できるとわかり、秒針無しの時計をお試しで使う為に買いました。使ってみた結果、問題ありませんでした(大丈夫だった理由は話すと長くなるのでまた別の記事にて話します)。ただ一秒でも遅れたらまずい用事に行く時はつけない方が良いでしょう。

デイト機能がありますが、クイックチェンジがありません。日付を合わせるためにひたすら9時から12時まで針を往復させなければいけません。デイト機能がある時計でクイックチェンジは必須なので、大きな欠点です。数日ぶりにつけると日付合わせが本当に面倒。そもそもの話、機械式時計にはデイト無しの方が都合がいいです。

日差は正確にはわかりませんが、約+30秒。アンティークだと考慮すると許容範囲なのですが、実用するには少し難があるくらいの精度です。時間調整は分針を30秒分の距離を戻す様にしています。針のふらつきも少ないので合わせたい所にしっかりと合います。

 

一旦ここで終わります。続きはpart2で。

solmachina.hatenablog.com