オリエントスター セミスケルトンWZ0231DA レビュー
初めて購入した機械式腕時計、オリエントスターセミスケルトンのレビューです。
<文字盤・針>
ベースはクラシカルなデザインですが、オープンハートなどの装飾が加わり、現代的な要素と調和が取れている印象です。文字盤の綺麗な青ともよく似合います。
ローマンインデックスを3、6、9、12に配置し、残りはバーインデックスです。個人的にローマンインデックスのバランスの良い使い方です。1から12全てがローマ数字だと少しくどい感じになるのでこれくらいがちょうどいいです。これらのインデックスの仕上げは値段を考えるとかなり上質です。バーインデックスの部分が多面体カットされていて、光を様々な方向から反射し、キラキラと光ります。この時計の装飾的な美しさを引き立たせる大きな要素です。
時分針は視認性的にも、装飾的にも優れており、かなり手が込んでいます。ドーフィン針の半分を梨地、もう半分を鏡面に仕上げています。全面鏡面だと視認性が落ちるので、梨地を加える事で視認性を向上しています。この処理の組み合わせが装飾的に好みなものになっています。
分針がかなり短く、視認性を著しく悪くしています。針が目盛りからかなり離れており、瞬時に分単位の時間が読み取りにくいです。自分の中では、目盛りの長さ以上に針が離れているとアウトなのですが、この時計はそれに該当します。
パワーリザーブインジケーターが12時方向に配置されています。この小さな針でさえも、山折にするくらい手が込んでいます。数字が記された土台は曲線が扇を沿うように刻まれています。
9時方向にはテンプを見せるためのオープンハートがあります。穴をあけただけでなく、しっかりと穴の淵と軸石周りに装飾を施すあたりも評価点です。当時はこれが決め手になり、買いました。機械式時計を知ったばかりの時期なのでこういった機械の見せ方に大きなインパクトを受けました。
<ムーブメント>
マジックレバー式の自動巻機構です。つけて1時間くらいですぐにパワーリザーブが満タンになります。これくらい巻き上げ効率がいいと手巻きの出番はほとんどありません。
このムーブメントの素晴らしいところは時間合わせのしやすさです。調整の際、針が殆どグラつかず、合わせたいところにピッタリと合ってくれます。これのおかげで、パワーリザーブが切れた後も他の時計よりも時間を合わせる手間が少ないです。他の時計だと、目盛りにしっかりと合わせた思って竜頭を放したら少しだけ針がズレるなんて良くあります。その点、この時計の操作性の良さはとても貴重です。
精度は日差+5〜10秒ほどで優秀です。
手巻きの感触は手持ちの中で一番苦手です。巻き上げると、「ガリガリガリ・・・」という感触と音がします。表面の荒い金属同士が擦れているような感じで好きになれません。
ムーブメントへの装飾は控えめ。ローターには金のオリエントスターのロゴと浅いコートドジュネーブがあります。その他の受けや地盤には浅くペルラージュが施されています。歯車の輪列が見えず、装飾も浅いので個人的には物足りない外観です。
<サイズ>
ケースサイズは39mmで理想的なサイズです。
ケースの厚さは12.5mmで自動巻としては普通くらいの厚さ。
ラグ幅は20mmでスタンダードなラグ幅なのでストラップの交換に適しています。
ケースの全長(ラグの端から逆側の端まで)は46mmで手首に収まります。
全体的にバランスの良いサイズ感なので、私の手首に着けていて視覚的に不快に感じることはありません。
今回はここまで、続きはpart2にて。