若年性腕時計病

腕時計にのめり込んだ若造の時計レビュー・感想

インデックスに届かない針

私は腕時計を選ぶにあたって重要視している要素の一つが針の長さです。具体的にいうと針がミニッツインデックスに届いているかどうかです。届いていないと針が何分を指しているのか瞬時に把握できないので、視認性に大きく関わってきます。そういった時計は数秒凝視しないと時間を認識できず、次第にストレスになっていきます。視認性の優れた時計なら時間を把握するのに1秒もかかりません。この為、時計を選ぶ時に特に注目します。

どれくらい針が離れていたらアウトかは人それぞれですが、私の場合は目盛りの長さ分以上に離れていたらアウトです。

f:id:SOLmachina:20190122161700j:plain

手持ちでいうと、上の写真のオリエントスターセミケルトンはそれに該当します。緑線より赤線の方が長いのがわかります。街中で歩いていて、時間が気になった時にぱっと見で正確な時間がわからず、立ち止まって凝視しなければいけない事があります。もし立ち止まらず歩きながら腕時計を凝視しようものなら歩きスマホの様に危険ですしね。

それに対して、Sinn 556は針がインデックスに届いていませんが、離れている距離が目盛りの長さ以内に収まっているのでセーフです。届いていなくてもこれくらいなら一瞬の視認を可能にします。とはいえやはり届いていた方がいいのたまに気になってしまいます。

こういった短い針はクォーツ時計に特に多いです。エネルギーを節約し、できるだけ長時間稼働するために必要な措置です。針が太く長いと動かすのに大きなエネルギーが必要なので電池切れになりやすいのです。しかし一番問題視しているのは、無限の動力を確保できる機械式時計でも短い針が存在することです。

低価格帯の時計ならばだ許せますが、高級帯になるとそうは行きません。ロレックスでいうとエクスプローラー前期214270の針がインデックスに届いていません。せっかくロレックスでいいお値段なのにこのような仕様だと買った後に大きな不満になりそうです。後期型の214270ではこの問題は解消されているので、自分が買うとしたらこちらのモデルになります。大金を払っているのでこの部分での妥協はできません。

針が短い問題はカスタマイズである程度対処できます。針の短さ以外は全部気に入った、という場合は買った後に針を外注品に差し替えます。しかしこれができる時計は結構限られてきます。できそうなのがセイコー、ミヨタ、ETAのムーブメントくらいしかありません。eBayなどのウェブサイトで主に流通している腕時計のパーツが主にこれらだからです。仮に調達できたとしても、針の品質も満足いくかどうかわかりません。例えばそこそこの値段の腕時計の針を交換してその針が安っぽかったら浮いてしまって不格好になります。私のオリエントスターセミケルトンを長い針にカスタマイズしたいのですが、結構勇気がいりますし、何よりこのムーブメントに使える針を探しても見つかりません。

本当は針をインデックスまで届かせることができるのに、わざわざ針を短くする意図がわかりません。エントリーモデルをあえて低スペックにする事で不満にさせ、次のモデルを買うように促しているのでしょうか?それとも文字盤のプリントや針の組み付けの精度を誤魔化すためでしょうか?このように理由は推測はできますが、断定できません。メーカーから理由が発表されるはずもないので、今後ずっとモヤモヤしてそうです。